睡眠時無呼吸症候群とは、主に睡眠中に空気の通り道である“上気道”が狭くなることによって無呼吸状態(10秒以上呼吸が止まること)と大きないびきを繰り返す病気のことです。成人男性の3~7%、成人女性の2~5%程度に見られる比較的頻度の高い病気ですが、睡眠中の無呼吸やいびきによって良質な睡眠が妨げられ、日中の眠気による事故などにつながりやすいことが大きな問題となっています。また、睡眠中に体内の酸素量が不足しがちになることで全身のさまざまな部位に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中など命に関わる合併症を引き起こしやすくなることも分かっています。
こんな症状ありませんか?
- 1.日中の眠気 寝たのに眠い
- 2.いびきがうるさい
- 3.寝ているときに息が止まるときがある
- 4.眠りが浅く、夜間に目が覚める
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者様は……
脳卒中 3.51倍
虚血心疾患 2.54倍
心不全 4.30倍
2型糖尿病 2.29倍
高血圧 2.14倍
交通事故 2.4倍
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断基準と重症度
一般的にSASの重症度は、AHI(無呼吸低呼吸指数)で表します。AHIとは、1時間に10秒間以上の無呼吸・低呼吸(呼吸が浅く・弱くなる状態)が発生する回数を示すものです。
日中の眠気などの症状がある場合は、AHIが5回以上、症状がなくてもAHIが15回以上でSASと診断され治療対象となります。
検査方法
検査方法は2種類あります。
①病院で入院して検査する
検査の流れ
①診察
②検査や入院についての説明
③検査日の決定
④入院・検査
⑤退院
⑥検査結果(2週間後)
②自宅で検査をする(簡易法)
※結果が中等度となった場合、確認のため①の検査を受けていただくことがあります。
検査の流れ
①診察
②検査についての説明
③自宅に届く
④家で検査(8時間以上)
⑤機器を返送
⑥病院で検査結果
CPAP治療とは
睡眠中にマスクから強制的に空気を送り込んで狭くなった気道を広げる“経鼻的持続陽圧呼吸療法”のことです。患者様に適した空気圧を設定することで、睡眠中に気道が塞がれるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。月に1回、診察を行います。